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1.小(児)弓道・障がい者弓道へ新たな展開を四半的弓道に見る先人の知恵に学ぶ
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1.小(児)弓道・障がい者弓道へ新たな展開を
  四半的弓道に見る先人の知恵に学ぶ
  太田 耕平 (札幌太田病院)
  四半的の歴史は古い。永禄11年(1568年)、戦国時代のさなか、当時島津藩の統治下の飫肥城を攻略すべく、浮舟城主伊東義祐と、島津藩が「小越の合戦」で激突した。
 この戦に、農民は自家製の竹の弓矢を持って参戦し、気勢を挙げて島津藩を圧倒し勝戦に大いに寄与した。その後、島津藩に破れるも、豊臣秀吉に仕えた伊東祐兵が飫肥城を賜り、「小越し合戦」において武功のあった老将山田が国境防衛策として弓術を奨励し、農民のための射場を設け、気勢を挙げさせ、防備に役立たせたという(宮崎県四半的弓道連盟)。

提供:飯島 邦彦氏(宮崎県四半的弓道連盟事務局長)

■四半的の長所
伊東飫肥が農民武道つまり娯楽として「的射の定め」により、弓矢の所持を許可した。それは、「 射程;4間半、弓の長さ;4尺5寸、的の直径;4寸5分 」。全てが「4・半」であるため「4半的」といわれた。この地方の娯楽として広く老若男女に愛され、近年は弓技として心身の練磨に有効であるスポーツとして評価されている。小弓であるので矢の長さ、射程を調整すれば小児、子供、身障者、高齢者にも可能と思えた。
 昨年8月にNHK-TVが日南地方の4半的を紹介。『これだ!』と膝を叩いた。
その理由は、
(1) 学生時代に少々弓の醍醐味を知り、日ごろから孫たちに弓の知恵を教えたいと願っていた。しかし、和弓は長く、弦も硬く、引分けに力を要し、巻き藁も大きく重く、身体障がい者や子供の手には負えない。
(2) しかも安全確保にも必要な弓道場も数少ないため、小学校高学年まで待たねばと思っていた。しかし、安全管理を十分に配慮し経験ある大人が指導すれば、この四半的・弓であれば孫世代にも可能性あると想像したからである。
(3) かって弓道部で活動した仲間も卒業後は多忙さと、弓道場の少ない不便さから弓道から永遠に離れる無念さを防ぎたい願望があったからである。
これら(1)(2)(3)が弓道普及を抑制的にしていたのでは、と考えていた。これらの諸点を四半的弓道は解決してくれると直感した。   
 宮崎市から鈍行で1時間、実際に飫肥城内にある四半的射場を訪ね、心地よい夏の日差しを浴びながら親切な指導を受けつつ20射程体験した。型式・儀礼にこだわらない気安さがうれしかった。

■日本弓道との違い
弓道諸流派を統合した日本弓道連盟方式より古く実戦的である。
(1) 全てが4・半での大きさ長さで、扱いやすく、子供でも操作が可能である。 
(2) 距離も短く家庭内・庭先でも可能である。特に、巻き藁射は一般家庭内でも可能である。 
(3) 引分けた右手を顎の下に收さめ、引いた弦が右小鼻に着けるので引く距離が安定性する。
(4) 的と矢と弦が右眼前に一直線上に並び照準が容易確実なことが日本弓道より優れている。
(5) 引き分けが顎下までの短距離であり、弦で耳・頬・胸・前腕内側などを打つ恐れがない。
(6) 離れは、右手指だけの「開き・返し」で単純である。右前腕を移動せず矢は安定する。
(7) 右手に弓懸けを着けないために、弦と矢の感触が明瞭であり、離れも単純な動きで済む。
(8) 押し手は真直ぐに押し、ひねりを加えず、弓返しないため矢は一直腺に進みやすい。
(9) 射程が8.1mと短いため、安全を十分に確保すれば家庭内でも練習可能である。
(10) 小児には短い日本弓道の矢が適し、近距離の巻き藁射から始める。
(11) 礼射以外では服装・履物・場所が自由であり庶民的な気楽さ、融和的雰囲気がある。
 これらの諸条件は、子供・身障者でも主婦・高齢者でも、気楽に弓矢を手にし、その醍醐味を経験するには優れていると思われる。

■身長・体力に応じた小(児)弓道普及
身体障がい者、高齢者にも、さらに、小児(5歳〜)から弓矢に接し、安全確保しつつ巻き藁射を可能にするためには巻き藁の高さ、射程距離も随意に変えるべきであるし、可能である。大人の介助・指導下により小児でも四半弓(3,7から4.4Kgの幅がある)を操作可能である。子供達が将来、正式の四半的、日本弓道、アーチュリーなどに関心を向け、これらを通して、姿勢を正し、克己心、集中心を養い、弓道関連競技人口の増加を期待するは適していると思われる。
 昨年10月から琴似駅近くの当院会議室(ここで本年4月、宮崎県四半的弓道連盟の飯島邦彦事務局長をご案内しご指導を受けた)において四半的弓による巻き藁射、さらに7m、14m射を比較しつつ実射し、昔懐かしい感触を味わいつつ、多様な場所での弓矢の保管、事故防止など安全管理を検討しつつ行なった。
 本年2月から、不登校の小・中・高校生数名に巻き藁射と、あわせて、弓・矢のつく漢字(引、弔、弘、佛、弱、強、張など)、(知、短、失、医)などの意味を指導した。院内保育園の卒園児にお祝いとして「小弓の巻き藁射」を教えると喜んでくれた。
これらの経験から、小児弓道は小・中学校からも採用可能であり、以下のような効果が期待できよう。

■弓技の持つ機能:健全育成と身障者・高齢者リハビリ効果
【 未来 ⇒ 現在 ⇒ 過去 】の一瞬に過ぎ去る感覚。矢を離した一瞬のうちに的中か外れか明らかになる。目標に当てたいという衝動は、食物を獲るという作業に直結し、人間は生き残るため動物を捕らえてきた。弓矢によるこの行為は人間が直立して以来のことであり、直立した理由そのものがこの目的であったかもしれない。
 高齢者や身体障がい者では車椅子に座った状態で十分に小弓と矢を操作できる。その、場所も、まず巻きわら射から開始し、射程距離も正しい指導者があれば多様な可能性がある。
第1に安全確保の視点、第2に体力のレベル、第3に肩・腕・指・運動機能に応じ、第4に気力・関心に応じて、第5に安全確保し許される広さ内で、第6に成長に応じて少しずつ距離を伸ばしていく喜びがある。
 はじめは、個人射から始め、上達する従い複数人数での競射も可能となりうる。
指導者は、弓道の経験が十分にある医療職員が望ましいが、弓道部学生でも十分に指導できるよう支援してあげたい。

まずは安全教育・礼節から始めたい。我が国の祖先の知恵、伝統的文化・技術を守りつつ、新しい土地で新応用として小(児)弓道を試行していきたい。猿から人間に進化した証である最古の道具である弓矢と、それを使った古代人の知恵と緊張感・心情を味わいたい。さらに、古い教え“ 光陰如矢 ”などを実体験し、日常生活に適度の緊張感をとりもどし、不登校・引きこもりなどの予防と、児童・青年の新しい生きがいとなることを祈っている。 

文献: 四半的弓道 教本改訂版  宮崎県四半的弓道連盟 2004 宮崎市

  (2006年6月1日 北海道医報 第1053号掲載より)

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